大腸炎

大腸炎

大腸炎とは|大腸炎の原因

大腸炎は大腸に炎症を生じる病気で、比較的短期間で治まる急性と年単位で経過する慢性に分類されます。以下のように数多くの病気で腸炎を生じます。

急性大腸炎の原因となる代表的な病気
  • 感染性腸炎

サルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、O-157に代表される腸管出血性大腸菌などの病原体で起こります。

  • 虚血性腸炎

動脈硬化や慢性的な便秘を持つ高齢者で生じやすい疾患です。

  • 薬剤性腸炎

薬剤中でも特に抗生物質で頻度が多いです。

慢性大腸炎の原因となる代表的な病気
  • 潰瘍性大腸炎

炎症性腸疾患の1つで、炎症は大腸だけに起こります。

  • クローン病

炎症性腸疾患の1つで、炎症は大腸だけでなく口から肛門まで全消化管に生じます。

大腸炎の症状

大腸炎の症状

下痢、腹痛、血便が代表的な大腸炎の症状ですが、必ず全てが出そろうわけではありません。腹痛の強さや、下痢・血便の回数は病気の種類や病勢によって異なります。また下痢、腹痛、血便が存在しても大腸炎ではない可能性もあるのです。

感染性腸炎、薬剤性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病などでは粘液が混じった粘血便が出る場合があります。さらに感染性腸炎では発熱を伴う場合も珍しくありません。

抗生物質よる大腸炎は使用中だけではなく、使用後1カ月くらいが経過してから症状が出現する場合があるので注意しましょう。潰瘍性大腸炎やクローン病では下痢、腹痛、血便などの症状が良くなったり悪くなったりを繰り返して慢性的に経過します。

大腸炎の検査方法

大腸炎の検査方法

大腸炎の原因により治療法が大きく変わるので、原因検索は非常に大切です。大腸炎の原因検索に大腸カメラ検査は大きな威力を発揮し、特に虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病の診断には大腸カメラ検査が欠かせません。

大腸カメラ検査では病変部位の外観や広がりを観察するだけでなく、組織の一部をつまみ出して顕微鏡で観察する場合もあります(生検)。さらに大腸カメラ検査により、しばしば血便の原因となる大腸がんの有無も確認できます。

大腸炎では大腸カメラ検査以外に炎症の程度を調べる採血検査、腹部CT検査、腹部エコー、そして感染性腸炎が疑われる際には病原体を調べる便培養検査などで大腸炎の原因を調べます。