ピロリ菌検査・除菌治療
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ピロリ菌とは

ピロリ菌とは

ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ菌)は胃に感染する細菌で、日本人の半数以上が感染していると考えられています。特に幼少時の衛生環境が今よりも悪かった高齢者はピロリ菌に感染している方が少なくありません。

ピロリ菌が胃に感染していてもほとんどの場合、自覚症状は出ません。したがってピロリ菌は検査をしないと感染しているかがわかりません。

ピロリ菌感染が問題になる理由は、放置すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらには胃がんが起こりやすくなるからです。ピロリ菌に感染してすぐにこれらの病気を生じるわけではなく、感染期間が長くなるほど病気が起こりやすくなります。ですからピロリ菌感染の早期発見がとても重要です。

手術の有無が変わる!ピロリ菌検査の重要性

胃がんで命を落とさないために早期発見、早期治療が重要ですが、胃がんの予防も重要です。胃がんの原因となるピロリ菌の除菌治療をすれば、将来胃がんになる可能性が減ります。胃がんにならなければ、胃がん死や胃がんの手術もありません。そのため感染を調べるピロリ菌検査は大切で、受けない理由がないと表現しても過言ではありません。

当院では胃カメラ検査を用いた迅速ウレアーゼ試験と呼ばれるピロリ菌検査を行っています。これは胃の組織に感染しているピロリ菌が尿素を分解してアンモニアを産生する性質を利用した検査で、アンモニアの反応があればピロリ菌に感染していると診断されます。通常の胃カメラ検査に引き続いてピロリ菌検査を行うために、簡単に検査可能です。

ピロリ菌が見つかっても安心を!早ければ1週間で除菌できます

検査でピロリ菌感染が判明してもご安心ください。薬を1週間飲むだけでピロリ菌を除菌できます。ピロリ菌の除菌治療は胃酸分泌を抑制する薬(プロトンポンプ阻害薬など)と菌を殺す抗生物質を1週間内服して行います。抗生物質は異なる2種類の併用が基本です。

除菌治療薬は途中で止めると中途半端にピロリ菌が生き残るため、同じ薬剤では殺せなくなる恐れがあります。ですから1週間分全ての確実な服用が大切です。

内服終了後しばらく時間が経ってから効果判定を行います。1回目の除菌治療で約8割が成功すると報告がありますが、不成功の場合には抗生物質の種類を変更して2回目の除菌治療ができます。

ピロリ菌検査〜除菌治療の流れ

ピロリ菌検査〜除菌治療の流れ

ピロリ菌感染者全員が保険診療の適応ではありません。慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などがある方は対象となります。特に慢性胃炎は「内視鏡で診断された慢性胃炎」が条件になります。

胃カメラで慢性胃炎や胃潰瘍など、ピロリ菌除菌が保険診療の適応となる病変を認めた場合には、患者様にご説明して同意を得てからピロリ菌検査を行います。鎮静剤による麻酔を使って眠りながら胃カメラ検査を受けられる方については事前に同意を得た場合にだけ行います。

当院で行っているピロリ菌検査は15分程度で結果がわかります。したがって陽性(ピロリ菌に感染している)が判明した場合には、胃カメラを受けた日から治療開始が可能です。