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肝硬変
肝硬変とは|肝硬変になる原因
肝硬変は肝臓が線維化して硬くなり外観がでこぼこに変化する病気で、進行すると肝臓の働きが低下する肝不全になります。
肝硬変の原因はさまざまですが、C型肝炎ウイルス感染によるC型慢性肝炎が半分以上を占めており最も多い原因です。ほかの原因にはB型肝炎ウイルスによるB型慢性肝炎、アルコール性肝障害、自己免疫性肝炎、非アルコール性脂肪肝炎(NASH、ナッシュ)などがあります。
このうち非アルコール性脂肪肝炎は脂肪肝が進行した病態であり、脂肪肝患者数増加とともに注目されています。脂肪肝の詳細については「脂肪肝」の項をご覧ください。
肝硬変の症状
肝硬変初期には肝臓の働きがある程度残っているために症状は出ず、自分では気づけません。肝硬変が進行すると肝不全となり、肝臓は本来の働きができません。
この段階ではむくみや食欲不振、全身が黄色くなる黄疸、おなかに水がたまってパンパンに膨れる腹水(ふくすい)、血液中のアンモニアが異常高値となり意識障害をきたす脳症(肝性脳症)、さらには血管が破裂して吐血する場合も多い食道静脈瘤など多彩で重篤な症状が出現します。
また肝硬変になると、1年で3~10%と高い確率で肝臓がんが発生するため肝臓にがんができていないかを腹部エコー検査で定期的に監視しなければなりません。肝臓がん、肝不全、食道静脈瘤破裂は肝硬変患者さんの死因の多くを占めています。
肝硬変の検査方法
肝硬変の検査で活躍するのが腹部エコー検査(腹部超音波検査)です。ただし腹部エコー検査だけで肝硬変を診断することはできません。腹部エコー検査では肝硬変を生じた肝臓の表面がデコボコと肝硬変独特の形状に変化した様子を観察できます。また腹水や肝硬変でしばしば認める異常血管(シャント)を調べる際にもエコー検査が有用です。
腹部エコー検査とともに大切な検査が血液検査で、アルブミン、血小板、コリンエステラーゼ、プロトロンビン時間、アンモニア、総ビリルビン、M2BPGiなどが測定されます。この中でもアルブミン、総ビリルビン、プロトロンビン時間は肝硬変の重症度を把握する指標(Child-Pugh分類)でも用いられています。